乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2006-04-22から1日間の記事一覧

竹田青嗣『プラトン入門』

書名と外観(新書)に騙されてはいけない。本書は入門書・啓蒙書の枠に収まりきらない。一人の在日思想家が自身の世界観を真摯に綴った思想書として読まれるべきである。「人間には言葉を通して他者との共通の理解や共感を見出したいという本源的欲望が備わっ…