乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

池田信夫『ハイエク 知識社会の自由主義』

ブログ記事の(過激な?)オピニオンで話題の著者だが、その著作物を読むのは今回が初めてである。なぜか今まで機会がなかった。著者の思想的な立ち位置をほとんど知らないので偏見なしで読むことができたが、結論としては、ハイエク思想の入門書としてはか…

渡部昇一『自由をいかに守るか ハイエクを読み直す』

非専門家(英文学者・・・と言うよりは保守派の評論家or何でも屋?)によるハイエク『隷従への道』への入門書(コメンタール)。本書の評価は難しい。なるほど『隷従への道』という書物のエッセンスは表現できているかもしれない。 ハイエクがいいたかったの…