2012-01-01から1年間の記事一覧
タイトル通りの内容。キャリア官僚の仕事力とそれを支える仕事術を元キャリア官僚が解説したもの。本書の第一のキーワードは「締め切り」。キャリア官僚から学ぶべき最も汎用性の高い仕事術は、スケジュール管理の技術であるように思う。これが「仕事ができ…
コンビニ業界第二位のローソン。この巨大企業の社長に43歳の新浪が就任したのは2002年のこと。親会社の三菱商事から再建を託された。長年トップダウン方式でやってきて傾きかけたこの会社(ローソンはかつてはダイエーの傘下にあり、創業者である中内功の影…
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)問題を考えるための基本的論点を手際よく整理したたいへん便利な一冊である。タイトルが示すように、筆者は日本のTPP参加に反対の立場だが、その議論は意外に(失礼!)冷静で、好感が持てる。著者によれば、TPPの内容は…
本書を紐解くマルサス研究者なら誰でも、44年前のわが国のマルサス研究の水準の高さに驚嘆するはずだ。他ならぬ自分のその一人である。B6版で240ページ。小著と言ってよい。エッセイ風の軽めの文体。だが、最初から最後のページまで、啓発力に富む議論が次々…
畏友山中さんの第一作をこのたび機会あって再読した。『隷従への道』から『自由の条件』を経て後年の『法・立法・自由』『致命的な思い上がり』にかけてのハイエクの議論を丁寧に読み解き、その力点の変化(義務論から帰結主義へ、帰結主義的義務論から義務…
4回生(10期生)のTさんがいじめをテーマに卒論を書くというプランを提出していたので*1、指導者としての責任上、少しは勉強しておこうと思い、本書を手に取った。本書の主題は「なぜ、いじめが成立するのか」のメカニズムを解きほぐすことにある。より具体…
欧州では、この二十年来、自動車に交通シェアを奪われてきた鉄道が見直され、高速鉄道の導入やLRT(次世代型路面電車)の拡大などによって大いなる復権をとげている。他方、日本の鉄道は、赤字のローカル線が次々と廃止されていることに象徴されるように、ジ…
ブログ記事の(過激な?)オピニオンで話題の著者だが、その著作物を読むのは今回が初めてである。なぜか今まで機会がなかった。著者の思想的な立ち位置をほとんど知らないので偏見なしで読むことができたが、結論としては、ハイエク思想の入門書としてはか…
非専門家(英文学者・・・と言うよりは保守派の評論家or何でも屋?)によるハイエク『隷従への道』への入門書(コメンタール)。本書の評価は難しい。なるほど『隷従への道』という書物のエッセンスは表現できているかもしれない。 ハイエクがいいたかったの…