乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

清水克彦『人生、勝負は40歳から!』

40歳まで残り1年半。「40代の挑戦が後半の人生を約束する」という帯のコピーに惹かれて衝動買いしてしまった。著者は文化放送プロデューサー。これまでの自分を「少しだけ」見直すためのヒントを、著者自身の体験談を交えながら伝授しようとする、いわゆる「…

佐々木憲介『経済学方法論の形成』

本書はイギリス古典派経済学の方法論的特徴を、6人の古典派経済学者――スミス、リカードウ、マルサス、シーニア、ミル、ケアンズ――の議論を精査することによって、明らかにしようとしている。著者はイギリス古典派経済学の方法論的立場の核心を「経済理論は観…

中澤英彦『はじめてのロシア語』

来年度、諸般の事情でロシア語の外書講読を担当することになった。学部学生時代、第二外国語として選択したロシア語は、いちばん力を注いだ科目の一つだったが、イギリス経済思想を自分の専門領域として選んだため、大学院進学後はすっかり縁遠くなってしま…