乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2007-01-16から1日間の記事一覧

佐々木憲介『経済学方法論の形成』

本書はイギリス古典派経済学の方法論的特徴を、6人の古典派経済学者――スミス、リカードウ、マルサス、シーニア、ミル、ケアンズ――の議論を精査することによって、明らかにしようとしている。著者はイギリス古典派経済学の方法論的立場の核心を「経済理論は観…