乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

遅塚忠躬『フランス革命―歴史における劇薬』

「ブリテンにおけるフランス革命」という事典項目の執筆を依頼された関係で本書を手に取った。基本的な史実の誤認があってはまずいから。著者はフランス革命史研究の大家。人間の尊厳を高らかに謳ったフランス革命が血で血を洗う悲惨をもたらしてしまったの…

ロイ・ポーター『啓蒙主義』

論文書きと引越しに忙殺され、一ヶ月以上も更新をサボてしまった。レヴューすべき書物が大量にたまっている。これから頑張って少しずつ更新してゆかねば。さて…。著者ロイ・ポーターは、惜しくも2002年に56歳の若さで死去した、近代ヨーロッパ社会史・文化史…