乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

田村明子『知的な英語、好かれる英語』

自分のゼミ生にイギリス(エディンバラ)留学時*1の話をすると、決まったように「英語ペラペラですか?」という質問をぶつけられる。日本人の多くは、「英語を使って仕事している」などと聞くと、たちまち「英語が流暢に話せる」状態を連想してしまうようだ…

内田樹『下流志向』

面白かった。教育・労働・格差についてここ数年僕自身が考え続けていたこと*1のほとんどすべてを、僕自身よりも明快な言葉で代弁してくれていたのだから。読了後、便秘から解放された時のような爽快感に全身が包まれた。腑に落ちた。よく売れた本だけあって…