乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

清水泰博『景観を歩く京都ガイド』

僕は兵庫県姫路市に生まれ、高砂市に育った。1987年4月、18歳の時に京都にやってきて、以来19年間*1、京都に住み続けている。これまでの37年の人生でもっとも長く居を構え*2、これからもずっと居を構えたいと考えている街である京都。僕は生粋の京都人ではな…

東浩紀『動物化するポストモダン』

本書は、1971年生まれの若手批評家が、コミックやアニメに代表されるサブカルチャー=「オタク系文化」の分析を通じて、高度消費社会の文化状況を「まじめに」(p.9)論じたものである。3期生Y君の勧めで手に取った。本書の評価をめぐって、後日彼と意見交換す…

斎藤孝『コミュニケーション力』

斎藤孝さんの著作を「乱読ノート」でとりあげるのは、早くも本書で5冊目(斜め読みは除く)になる。*1広田照幸さんや高橋伸夫さんのように、サポーターであることを自認・公言しているわけではないので、「こんなに読んでいたのか」と自分でも意外に思う。知ら…