乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

城繁幸『若者はなぜ3年で辞めるのか?』

大卒新人の離職率が上昇し続けている。2000年のデータでは、大卒入社3年以内に36.5%、実に3人に1人が辞めている。1992年は23%だったから、10年足らずの間に1.5倍に増えたことになる(p.28)。なぜ若者は我慢できずに辞めてしまうのか?著者によれば、それは決…

堂目卓生『アダム・スミス』

本書は「経済学の祖」アダム・スミスの二大著書『道徳感情論』と『国富論』の論理的関係を丹念に読み解いた刮目の書であり、新書で発表されたことが「もったいない」と思ってしまうほどの新鮮で本格的なスミス論である。『道徳感情論』におけるスミスの人間…

マンフレッド・B・スティーガー『グローバリゼーション』

オックスフォード大学出版会の「一冊でわかる」シリーズ(very short introductionシリーズの日本語版)の中の一冊。目次は以下のようになっている。 グローバリゼーション 概念をめぐる論争 グローバリゼーションは新しい現象か グローバリゼーションの経済的…