乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2008-04-06から1日間の記事一覧

堂目卓生『アダム・スミス』

本書は「経済学の祖」アダム・スミスの二大著書『道徳感情論』と『国富論』の論理的関係を丹念に読み解いた刮目の書であり、新書で発表されたことが「もったいない」と思ってしまうほどの新鮮で本格的なスミス論である。『道徳感情論』におけるスミスの人間…