乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

中野雅至『キャリア官僚の仕事力』

タイトル通りの内容。キャリア官僚の仕事力とそれを支える仕事術を元キャリア官僚が解説したもの。本書の第一のキーワードは「締め切り」。キャリア官僚から学ぶべき最も汎用性の高い仕事術は、スケジュール管理の技術であるように思う。これが「仕事ができ…

吉岡秀子『砂漠で梨をつくる ローソン改革 2940日』

コンビニ業界第二位のローソン。この巨大企業の社長に43歳の新浪が就任したのは2002年のこと。親会社の三菱商事から再建を託された。長年トップダウン方式でやってきて傾きかけたこの会社(ローソンはかつてはダイエーの傘下にあり、創業者である中内功の影…

廣宮孝信『TPPが日本を壊す』

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)問題を考えるための基本的論点を手際よく整理したたいへん便利な一冊である。タイトルが示すように、筆者は日本のTPP参加に反対の立場だが、その議論は意外に(失礼!)冷静で、好感が持てる。著者によれば、TPPの内容は…