乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

松下幸之助『若さに贈る』

5期ゼミのテキストとして読んだ。ゼミ生のM島さんとS井君が探してきた。本書は、「経営の神様」として名高い松下幸之助が、自身の経営哲学・仕事観を、苦悩の青少年時代を振り返りながら、これから社会に出て行く若者にやさしく語りかけたものである。彼が言…

トム・モリス『アリストテレスがGMを経営したら』

10年近く本棚に眠っていた。もっと早く手にとって読むべきだった。大いに後悔している。著者トム・モリスは、経営学から哲学・宗教へと転じ、また経営学の世界へと戻ってきた異色の経歴を有する。本書はビジネスと人生のポジティブな関係――企業のエクセレン…