乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

横山泰行『ドラえもん学』

7期生T本さんがゼミテキストとして選んだくれたもの。ドラえもんが国民的マンガ(さらには世界的マンガ)へと成長していった軌跡を、作品のあらすじの紹介を盛り込みながら解説している。 ゼミの報告自体は、のび太とドラえもんの関係を「甘える-甘やかす」…

ロバート・D・パットナム『孤独なボウリング』

共和主義思想史研究*1に携わっていると、どうしても徳倫理学やコミュニタリアニズム(共同体主義)の研究成果を無視するわけにはゆかない。僕が本書を知ったのは、遅まきながら、菊池理夫『日本を甦らせる政治思想――現代コミュニタリアニズム入門――』*2を通…