乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2012-08-17から1日間の記事一覧

山中優『ハイエクの政治思想』

畏友山中さんの第一作をこのたび機会あって再読した。『隷従への道』から『自由の条件』を経て後年の『法・立法・自由』『致命的な思い上がり』にかけてのハイエクの議論を丁寧に読み解き、その力点の変化(義務論から帰結主義へ、帰結主義的義務論から義務…