乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2007-12-16から1日間の記事一覧

冷泉彰彦『「関係の空気」「場の空気」』

「空気」をキーワードとして展開される卓抜な日本文化論である。山本七平『空気の研究』に多くを依拠しつつも、日本語教師としての経験を活かして、「空気」の形成と日本語の特質(婉曲表現、略語・造語などの多用)との関連を深く掘り下げたことは、著者のオ…