乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2008-01-03から1日間の記事一覧

樋口陽一『一語の事典 人権』

「さすが樋口陽一!」と唸ってしまう隠れ名著。この人の本はいつもすごいが、この本は特にすごい。120ページ余りの小スペースに、「人権」という言葉が抱える様々な問題が実にコンパクトにまとめられている。著者が繰り返し力説しているのが、「いちばん厳格…