乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2009-12-31から1日間の記事一覧

佐和隆光『経済学とは何だろうか』

学部生時代に読んで以来、およそ20年ぶりの再読になる。著者の本来の専門は計量経済学・統計学だが、今日では環境経済学者あるいは経済評論家としての顔のほうが有名であろう。本書は、科学論(とりわけトマス・クーンのパラダイム論)の視点から、戦後アメ…