乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2005-09-05から1日間の記事一覧

なだいなだ『神、この人間的なるもの』

著者は精神科医。無神論者であるB(著者)と、同じく精神科医でカトリック信者である大学時代の友人Tとの対話という形式をとっている。単純に読み物としておもしろいし、今まで読んだ宗教論の中ではいちばん共感できる内容だ。本書の核心をなすのは、以下の…