乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2007-02-02から1日間の記事一覧

只腰親和『「天文学史」とアダム・スミスの道徳哲学』

本書は「経済学方法論フォーラム」の共同メンバーでもある只腰さんが12年前に公刊されたスミス研究書である。スミスの道徳哲学(社会科学)研究の方法上の特質を、彼の学問論・知識論に着目しつつ――とりわけニュートンの天文学とロックの認識論との関連を重視…