乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2007-03-18から1日間の記事一覧

間宮陽介『丸山真男』

『増補 ケインズとハイエク―“自由”の変容 (ちくま学芸文庫)』を読み終わり、「そのついでに」とばかりに軽い気持ちで読み始めたのだが、そのあまりに浩瀚で刺激的な内容に圧倒された。丸山本来の問題意識をテキストの丹念な読解を通じて再構成し(pp.78-80)、…