乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2007-06-11から1日間の記事一覧

鷲田清一『だれのための仕事』

現代日本を代表する哲学者(阪大次期総長)による労働論。本書の内容を僕なりにまとめるならば、以下のようになるだろうか。現代社会は、プロスペクティブ(前望的)な時間意識、および、効率性と生産性の論理が隅々まで深く浸透した《労働社会》である。わたし…