乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2008-01-10から1日間の記事一覧

ドストエフスキー『死の家の記録』

著者は、言わずとも知れた、ロシアの文豪。本書は著者自身の獄中体験――1850年から53年までシベリアのオムスク要塞監獄にて政治犯として服役し強制労働に従事させられていた――の記録にもとづいて書かれたものであり、彼の名を世界的にした出世作である。物語…