乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2008-02-21から1日間の記事一覧

クリストファー・ヒル『ノルマンの軛』

18世紀後半に活躍した急進主義者トマス・ペインに関する論考を書くことになり、参考文献を探しているうちに、長年本棚で眠っていたままになっていた本書をたまたま見つけ、読み始めた。本書は20世紀英国を代表するマルクス主義歴史家(1912-2003)が1954年に発…