乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2008-03-04から1日間の記事一覧

マーク・フィルプ『トマス・ペイン』

トマス・ペインの生涯と思想に関する入門書であり、オックスフォード大学のPast Mastersシリーズの一冊として刊行されたもの(原著の刊行は1989年)の邦訳である。*1一応、入門書であるが、ヒッチンス*2と比べると、本書のレベルのほうがやや高い。訳文は流麗…