乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2008-03-10から1日間の記事一覧

清水正徳『働くことの意味』

著者は宇野派のマルクス主義哲学者。本書は西洋思想における労働観の系譜を古代から現代までたどり*1、その思想的遺産の現代的意義を明らかにしようとする。宇野派のマルクス解釈に忠実に、資本主義社会における様々な矛盾の根本原因が労働力商品化に求めら…