乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2008-05-01から1日間の記事一覧

大塚久雄『社会科学の方法』

著者は昭和期日本を代表する西洋経済史家。カール・マルクスの経済学とマックス・ヴェーバーの社会学を基礎として、近代資本主義成立の諸条件を、とりわけ国民経済の担い手としての「中産的生産者層」に着目しつつ探求した。「大塚史学」と呼ばれるその学問…