乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2008-07-06から1日間の記事一覧

河合隼雄『無意識の構造』

同じ著者による『コンプレックス』*1の姉妹書と言ってよいもので、前半は『コンプレックス』の圧縮版となっている。ただ、力点の置かれ方が違っていて、本書ではコンプレックスにはわずかしか触れられず、普遍的無意識(元型)に後半の多くのページが割かれて…