乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2008-09-18から1日間の記事一覧

クシシトフ・ポミアン『増補・ヨーロッパとは何か』

著者はフランスで活躍しているポーランド出身の歴史家である。本書は、進行中のヨーロッパ統合を強く意識しながら、古代ローマから第一次世界大戦までのヨーロッパ世界〈分裂〉と〈統合〉を概観している。著者によれば、過去にヨーロッパ統合と呼びうる事態…