乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2009-01-03から1日間の記事一覧

城山三郎『部長の大晩年』

正月休みを利用して一気に一日で読み終えた。経済小説の大家が手がけた俳人・永田耕衣(1900-97)の評伝である。僕の俳句への造詣はほぼ無に等しく、永田の名前も本書を手に取るまで知らなかった。そんな僕が本書を手に取ったきっかけは、城山作品であり、し…