乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2009-01-05から1日間の記事一覧

姜尚中『在日』

本書は、在日コリアン二世である著者の自伝であり、著者自身の言葉を借りるならば、「ひとりの「在日」二世の誕生と成長、ためらいと煩悶の歴史」(p.228)を綴ったものである。この種の本は著者の望むように読まれない場合のほうが多いのではないか。著者自身…