乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2009-06-11から1日間の記事一覧

森真一『ほんとはこわい「やさしさ社会」』

8期ゼミのテキストとして読んだ。「やさしさ」が対人関係のルールとして最優先されているために、逆説的に、「しんどさ」と「こわさ」に満ちてしまっている現代日本社会。本書はその逆説のメカニズムを社会学の手法で明らかにしている。著者によれば、「やさ…