乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2009-08-19から1日間の記事一覧

ラース・マグヌソン『重商主義』

刮目の書。訳者のお一人であるK谷先生から賜った。感謝。まず、通俗的な重商主義理解を確認しておきたい。本書の内容は通俗的な重商主義像(およびそれをめぐるその後の研究状況)に対して根本的反省を迫っているからである。アダム・スミスは、『国富論』第…