乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2009-09-03から1日間の記事一覧

ロバート・ダーントン『パリのメスマー』

前々から読みたくてたまらなかった。ようやく読む機会を得た。本書の概要は冒頭の一節に端的に表現されているので、それをまず引用しておこう。 ルソーの『社会契約論』〔1762年刊〕は、フランスの大革命以前には彼の著作中でもっとも評判の低いものであった…