乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2009-12-21から1日間の記事一覧

桜井哲夫『〈自己責任〉とは何か』

1998年以来、11年ぶりに再読した。記憶が怪しくなっているが、初読時にはかなり好意的な印象を持ったように思う。当時個人的に強い関心を抱いていた援助交際問題に対して、きわめて明快な解答を提出してくれていて、腑に落ちたのである。しかし、今回読み返…