乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

2010-01-26から1日間の記事一覧

江上剛『非情銀行』

周知のように、バブル経済の崩壊以後、わが国の大手銀行は生き残りをかけて巨大合併へとひた走った。いわゆるメガバンクの誕生である。本書はこの時代の大手銀行の闇を題材とした小説である。表向きはフィクションということになっている。しかし、著者は、…