乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~

イギリス思想史を研究する大学教員の読書ノートです。もともとは自分自身のための備忘録として設置したものですが、「隠れ名著、忘れられた名著に関する情報を学生の皆さんに発信したい」というささやかな期待もこめられています。

マンガで学ぶ、マンガでわかる

「旧・乱読ノート」の2004年2月*1で『マンガ版 聖書旧約・新約物語』を紹介していることからおわかりいただけるように、僕はマンガを学習のための強い味方として積極的に活用している。もちろん時として「ハズレ」もあるが、それでも「当たり」とめぐり会えた時の効能の大きさは計り知れない。やはり視覚情報のインパクトは強大だ。ここでは最近の「当たり」2冊を紹介しておきたい。

コミック ニュートン―近代科学を築いた知の巨人 (丸善コミックス)』は近代科学の確立者アイザック・ニュートンの生涯と思想を多面的に偏りなく描き出す。その科学的方法論の(機械論的哲学に対する)新しさを明快に説明している件(pp.180-3)は本当に勉強になった。

コミック ニュートン―近代科学を築いた知の巨人 (丸善コミックス)

コミック ニュートン―近代科学を築いた知の巨人 (丸善コミックス)

評価:★★★★☆

上司と部下の職場系心理学 <新装版> (マンガでわかる)』は、職場での上司・部下関係にまつわる様々なトラブルを素材に、コミュニケーション力とリーダーシップの基本を平易に解き明かす。読んだその日から応用できる具体例が満載されている。キーワードは「…してくれないか」かな?

「真の人間関係は、弱点をさらけ出しても怖さのない関係である」(p.45)という件を読んだ時、僕の身体に電流が走った。心の底から共感できた。その時以来、座右の銘の一つになっている。

上司と部下の職場系心理学 <新装版> (マンガでわかる)

上司と部下の職場系心理学 <新装版> (マンガでわかる)

評価:★★★★☆