本書はもともと「Webちくま」連載「アウトサイダーズ 平成的生き方のススメ」を一書にまとめたものだが、タイトルからも想像できるように、前著『若者はなぜ3年で辞めるのか?』*1の続編としての性格も有している。前著が「昭和的価値(仕事)観」がもたらしている閉塞感に焦点を合わせているのに対して、本書は胎動しつつある「平成的価値(仕事)観」に焦点を合わせている。昭和的価値観に従わずに生きる「アウトサイダー」たちの仕事や人生観を紹介することで、新しい価値観を具体的に描き出そうとする。
「平成的価値観」のキーワードは「多様性」と「主体性」である。
〝平成的価値観〟とは何だろう。それは一言でいえば多様性だ。(p.11, 26)
平成的価値観の本質とは多様性であるが、主体性こそ、それら全てに共通するフレームだ。(p.57)
学生は、就職活動前に本書を読むことで、会社選びの価値軸を多様化させることができるだろう。とりわけ女子学生には得るところ大だと思われる。「これからは女性の感性が重要」(p.180)とうそぶく企業の本音を見抜くことができるはず。
3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書)
- 作者: 城繁幸
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 新書
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評価:★★★★☆