2010-01-01から1年間の記事一覧
経済思想史を専攻する研究者でありながら、本書を読むまで、本書の主人公である大原孫三郎(1880-1943)と大原社会問題研究所との関係について、まったく何も知らなかった。自分の無知を恥じるばかりだ。本書は倉敷紡績や倉敷絹織(現在のクラレ)などの社長…
一貫して地方の衰退と共同体の崩壊を憂い、共生経済のヴィジョンを説き、新自由主義(ネオリベラリズム、市場原理主義)、マネー資本主義、規制緩和に反対してきた反骨の経済評論家の集大成とも言える著作である。本書が同じ著者の他の著作と比べて新鮮なの…
本書は20世紀アメリカ保守主義の歴史と現状に関するコンパクトな概説書である。リベラリズムが主流派思想であった20世紀前半のアメリカにおいて、もともとそれに対抗する思想運動として起こった保守主義は、徐々に現実の政策への影響力を拡大してゆき、ブッ…